マンチェスターユナイテッド特集2
選手個人評価
前回はクラブの評価を下す記事を書かせてもらった。そして今回は個人のパフォーマンスに目を光らせて評価を下したい。評価はSからDの5段階だ。
GK・DF編
ダビド・デ・ヘア A
安定したパフォーマンスを見せつけたのは事実だ。幾度となくピンチからチームを守ってきた。崩壊し日替わりのようにDFラインが変わる中、今の失点数で抑えられてるのは間違いなく守護神のおかげだ。しかし、アーセナル戦でジャカにスーパーミドルを決められた辺りから不調気味なところが唯一のネガティブなところだ。しかしながら崩壊したチームの犠牲者であることは変わりない。
クリス・スモーリング B
ファン・ファールの下で成長し、クリーンで強烈なタックルを見舞う姿はもうない。それどころかエリア内で危険なタックルを食らわして何度チームメイトを冷や冷やさせたことか。競り合えば、すぐに相手のユニフォームを引っ張る癖も改善が見られない。唯一、評価できるのは年末辺りまでは大崩れした守備陣の中でマシなパフォーマンスが見られたことだ。
ビルドアップと言い、改善点が多い。しかしそれほど若くもないため、放出もやむなしか。
フィル・ジョーンズ C
スモーリングよりも酷いのがこの選手だ。足元の技術が水準以下で、受け手の体制が崩れ、ピンチを招くシーンを何度見たか。また強引な守備も怖く、ファールすれすれのプレーを何度もするあたり、若き頃からの癖など改善が見られない。もうそろそろ放出されるのでは?
アシュリー・ヤング A
元々はウィンガーだが歳をとるにつれて、サイドバックというポジションが板についてきた。今シーズンはキャプテンのバレンシアがほとんどピッチに立てず、このベテランがゲームキャプテンを務めていた。苦しいゲームなどが続き、チーム全体の空気が暗かった中、キャプテンマークをまいたこの男が大きな声を出してチームを鼓舞していた。崩壊したチームだけあって持ち味のクロスを活かす場面が減ってしまったが精度は高い。プレー以上に精神的な部分を考えると貢献は大きいだろう。
ビクトル・リンデロフ B
DF陣が崩れた中、唯一成長を感じたスゥエーデン代表。状況判断にはまだ難があるとはいえ、ボールの読みやポジショニングはかなりの成長が見られた。まだまだ若いし成長を期待していいうちの一人だろう。課題のビルドアップの成長も今後に期待したい。
ルーク・ショー S
怪我ばかりしてシーズンを棒に振っていたのはもはや過去の話。小さな怪我などはあったものの、キャリア最高のシーズンとも言える出来だろう。開幕で決勝点を奪うとモウリーニョの信頼を勝ち取り、見事にレギュラーに定着。今季はCLでメッシとも戦ったが的確な判断でメッシに自由を与えなかった。もちろん、攻撃でも左サイドに顔を出し、攻撃に厚みを加えていた。もう少し飛び出すタイミングなどは学ぶべきだが試合をこなせば克服できることだ。このクラブの間違いなく今シーズンのベストプレーヤーと言えるだろう。
エリック・バイリー C
本当に見ていて辛そうなシーズンだった。怪我でシーズンの半分を棒に振るのは加入から変わらず。しかし、今までのバイリーであれば出場すれば、鋭い読みと的確なタックルで相手を潰していたが今シーズンはそんな姿がなかった。2節のブライトン戦でポジショニングミスとPK献上するとそこからピッチで姿を見ること自体めっきり減った。出場しても簡単に裏を取られる始末。ハダースフィールド戦で戻ってきていい仕事をしたかと思えば負傷退場。精神的な未熟さもあるかもしれないがなにかツキにも見放されたようなシーズンだった。
MF編
ポール・ポグバ B
開幕直後はキャプテンマークを巻き、今後チームの精神的な支えとして期待された。しかし、このMFの精神的な部分が未熟だった。モウリーニョに対する不満をメディアに公言し、モウリーニョはキャプテンマークを剥奪。これを機にモウリーニョとの亀裂は修復不可能なものとなり自身のパフォーマンスも低下。守備面での後見が低くマティッチの負担が増えるばかり。スールシャール就任後は攻守で大きな貢献を果たすもモウリーニョ時代からなぜそういったプレーが出来なかったのか疑問が残る。キャプテンに相応しくないと判断したモウリーニョの判断は正しいだろう。
ファン・マタ S
ベンチが定位置だったものの、一切不満を口にせず、常に準備をし続ける姿勢はプロの鏡と言えるだろう。またピッチに立てば攻撃を循環させる役割も果たしていた。停滞する攻撃陣だけあって1人必死に前に行こうという気持ちを感じた。また守備もサボらず、ドロー決着だったホームのリバプール戦。サラーを止めるなど重要な役割を担った。その試合で怪我をするほどの頑張りを見せていた。こういった貢献度の高さも高く評価できる。攻撃的なポジションの選手の中では最高の評価を与えたい。
ネマニャ・マティッチ B
ポグバの後ろのフィルター役として一定の仕事を果たしたと評価するべきだろう。しかし、この守備的中盤は広いエリアをカバーすることができないため、後ろが崩れたのに引っ張られる形で自身の脇のスペースを突かれるなど満足のいく出来ではなかった。歳からか怪我も増え、欠場する試合も増えてきている。
スコット・マクトミネイ A
前半戦はチームが崩れ、若手になかなか出場チャンスがあまりなく、ベンチでチームが崩れる姿を見ているだけだった。しかし、怪我人が続出しチャンスを掴むと安定したパフォーマンスを披露。カバーリングが素晴らしく、チャンスの芽をしっかり摘み取り続けた。マティッチ不在の中、ポグバの後ろをカバーし続けた。CLのバルサ戦でメッシを抑えた1st legはフレッジとの中盤のブロックは圧巻だった。ちなみにその相方を務めたフレッジの評価は今シーズンはなしだ。来シーズンに期待したい。
アンデル・エレーラ A
マティッチが往年の守備力が低下する中、そのマティッチのカバーもこなした。ポグバは守備をせずマティッチはかつてほどの潰しが効かなくなった中、2人のカバーを黙々と続けた。契約更新の話が進まず、今シーズン限りでの退団が発表された。非常に素晴らしい仕事ぶりだっただけに残念だ。
ジェシー・リンガード B
守備もしっかりとこなす攻撃的MF。今季はチームが崩壊したためどうしても守備での貢献に目がいってしまう。実際ゴールも昨シーズンの8から半減の4と数字でも物語っている。また不慣れな3トップの真ん中なども務めた。攻撃では中々インパクトが残せなかったが汗かき役をこなした辺りは流石だ。
マルアン・フェライニ B (途中退団)
スールシャール体制に入ってもビハインドの展開だとこの男のことが頭をよぎる。モウリーニョ政権から出場機会が激減。冬に退団し、中国に向かったがそれまでモウリーニョの下で数少ない戦える選手として、スーパーサブの役割を担った。ルカクよりもボールコントロールが上手く、長身を活かしたポストプレーは迫力満点だった。それだけに退団させたのは非常にもったいなかった。
FW編
ロメル・ルカク C
攻撃面で停滞を招いた要因と言っていいだろう。勝負弱さは元々あったが今シーズンはそれ以上にボールロストが目立った。前線でためが出来ず、周りのサポートが来る前に攻撃が途切れてしまう。これではどうしようもない。ボールも待ってばかりで受けに行く動きも少なかった。12得点上げてるとはいえ、ユナイテッドのストライカーポジションをこなす選手がポグバの13得点を下回っているのはどうかと思う。
マーカス・ラッシュフォード B
今シーズンは開幕直後にキャリア初の一発退場を喰らうなどスタートは最悪だった。持ち味のスピードを活かしたドリブルも身を潜め、ベンチが定位置になりかけていた。それでもモウリーニョ解任後、スールシャールがワントップで起用すると非凡な得点センスとスピードを披露。1月は4試合4得点で月間最優秀選手賞を受賞。しかし、ホームのリバプール戦で足首を痛めてからは痛みを抱えているのかトーンダウン。ユナイテッドの10番を引き継いだ初めのシーズンは苦しんだが来シーズンに向けて成長も期待できる。
アントニー・マルシアル B
前半戦は冴えない攻撃陣の中で5試合連続ゴールなどで気を吐いた。しかし、スールシャール体制に入り、怪我もありコンディションが整わず切れ味が薄れた感はあった。それでもボールテクニックや得点センスは目を見張るものがあった。来シーズンは怪我なくフル活動を求めたい。
アレクシス・サンチェス D
アーセナル時代の姿はもはやない。カットインからの強烈なシュートもなく、来るクラブを間違えたようだ。ボールを持っても周りと合ってないのか簡単にボールを失うだけだ。唯一のハイライトはホームのニューカッスル戦で決めた劇的逆転ゴールか。しかし、ゴールもこのひとつ。チーム内で最高給を貰っているが一切と言って見合った仕事はしていない。その給料のせいで仲間から不満も漏れているという。伝統の7番を引き継いだがもはやこのクラブに居場所はないだろう。
0コメント