CR7獲得の意味
まるで3年前のCLを思い出されるような試合だった。15-16シーズンのCLベスト8で当時ロナウドが所属していたマドリーはヴォルクスブルクと対戦した。しかし、ファーストレグまさかの0-2とアウェイで完封負け。セカンドレグで必要とされたのは最低3点差で勝利すること。しかもアウェイゴールを奪えなかったため、ヴォルクスブルクに点を与えると相当苦しい展開になる。逆転突破は難しいかと思われたが背番号7が勝負強さを発揮し、この試合チームを逆転突破に導くハットトリックを達成。そしてその後も勝ち上がり、決勝でアトレティコを下し優勝した。ちなみに優勝を決めたPKを決めたのもロナウドだった。
これから約3年。ロナウドは拠点をトリノに移し、イタリア王者としてCL優勝を目指す決断を下した。そしてやや苦戦したとはいえ、順当にGSを勝ち上がり、ベスト16まで駒を進めていた。しかしそこに突然として、危機が迫っていたのだ。抽選の結果、ユーベはアトレティコとベスト16を戦うことになったがファーストレグはまさかの0-2と歯が立たなかった。ロナウドも沈黙し、GS含め今季はCLではわずか1ゴールと例年のゴール数とはかけ離れていた。そのため、この試合を境にロナウドへの批判が強まり始めた。
そしてそんな中で迎えたセカンドレグ。ロナウドは試合前に「逆転への準備は出来ている」と自身を覗かせていた。確かに3年前のヴォルクスブルク戦の時と状況はよく似ている。それをおもいだしていたのかもしれない。しかし相手は欧州屈指の堅守を誇るアトレティコ。逆転突破へは、3年前の難しさと比べ数段困難なものであり、多くの報道陣は不可能だと考えていた。
しかし、このエースの言葉は確かなものだった。
前半27分、ベルナデスキのクロスに頭で合わせこの試合の先制点をゲット。この後もポゼッションで圧倒し、後半開始早々の48分、再びヘディングシュート。オブラクに弾かれたがボールがゴールラインを超えており、合計スコアで同点に追いつく。攻め続けるユーベは終了間際にベルナデスキがDFに手で倒され、PKを獲得。このPKをロナウドがきっちりと決め、合計スコアをひっくり返すハットトリックを達成した。結局ユーベはアトレティコに枠内シュートを打たせず、完璧な試合内容で逆転突破を果たした。
ハットトリック達成し、主役となったロナウドは勝負強さを改めて示し、自身への批判を封じ込んだのだ。
試合後、「この日のためにユーベが僕を獲得した」と発言。その言葉をピッチでそのまま表現したと言えるだろう。ユーベはここ数年、勝負強さに欠けていた。その欠けたピースを埋めるためにこのCL男を大金を費やして獲得したのだ。そしてその男がチームの敗退危機を救ったのだ。
CL決勝までは道が長いがこの試合でロナウドの獲得の意味は示せたのではないだろうか。悲願のCL制覇へのラストピース。それは勝利を体で知る男だ。
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