新シリーズ マッチバック 第1回 エティハドで見せたプライド

今回から新企画をスタートさせる。過去の試合を1つ取り上げて、記事にするこの「マッチバック」。第1回は17/18の2度目のマンチェスターダービーを今回は振り返りたい。
この試合前、シティファンは大きな期待を抱いていた。仮にこのダービーを制するとプレミアリーグ最速での優勝が決まり、相手は2位で同じ街のライバルユナイテッド。このシーズン、シティの優勝は決定的だがこれまでにない最高のシチュエーションで優勝が決めるチャンスだ。一方のユナイテッドはライバルに目の前で優勝を決められるのは絶対に避けなければならない。
その日のエティハドは普段とは違う熱気に包まれていた。試合前はなにか異様な空気がスタジアムを包み込んでいた。
この試合、シティはエースのアグエロがベンチスタート。スリートップはスターリング、サネ、シウヴァといういわゆるゼロトップのような形だ。一方のユナイテッドはほぼベストメンバーの4-3-3でエティハドに乗り込む。
試合開始から予想通り、シティが主導権を握る展開に。ユナイテッドはできるだけ、攻撃に出たいのかこの試合は前からプレッシャーをかけるも普段とは違う戦い方のため、選手たちに迷いが見える。実際、どこでプレスを仕掛けるのか分からず、中途半端な戦い方になっていた。そんな中、スコアが動く。25分、コーナーキックにキャプテンのコンパニが合わせ、シティが先制する。このシーン、コンパニのマークについたスモーリングは簡単に外された挙句ユニフォームを引っ張って止めようとする始末。ここからさらに流れはシティに傾く。5分後、サネが倒されるがバイタルでボールを拾ったギュンドアンがスターリングへパス。そして再びギュンドアンへリターン。そのギュンドアンのターンから振り向きざまにシュート。これが決まり追加点。このゴールでエティハドはこの日一番の盛り上がりを見せた。大半はユナイテッドがここから2点取り戻せるはずがないと、勝負が決まったと思っただろう。その後も決定的なシーンを作るシティ。しかし、2度スターリングにチャンスが訪れるも決めれないまま、ハーフタイムへ。
このハーフタイムで後半は一気に流れが変わる。プレスに迷いがなくなり、中盤で一気に潰せるようになるユナイテッド。ようやく、ボールも回せるようになってきた。この辺りの修正力はさすがモウリーニョと言うところか。一方のシティはユナイテッドの修正力に圧倒されたのか消極的なボール回しになる。エレーラとマティッチの潰しが効いていたのは事実だ。
そして53分、ユナイテッドのチャンス。右サイドに流れたサンチェスのクロスにエレーラが胸で落とす。抜け出したポグバがダイレクトで決めて、ついに1点を返す。さらに2分後、ポグバから左サイドに張るサンチェスへ。ポグバは一気にゴール前へ駆け上がる。タイミングを見計らい、サンチェスが完璧なクロスに頭で合わせる。これが決まり、一気に同点へ追いつく。
ポグバが一気に駆け上がったことにより、シティのディフェンスラインは混乱し誰もマークにつけなかった。これはディフェンスどうこうよりもポグバとサンチェスの完璧な連携を褒めるべきだろう。
そして、69分、ユナイテッドのフリーキック。キッカーのサンチェスのボールにスモーリングが右足で合わせ、ついに逆転。
こうなってはペップもこのままでは終われない。意地でも同点に追いつきたい。72分にジェズスとデ・ブルイネ、76分にアグエロと攻撃な選手を一気に投入。攻勢に出ようとする。
そんな中、試合はダービーらしい荒れ模様に。フェルナンジーニョ、ポグバ、オタメンディらが掴み合うシーンも見られた。イエローが飛び交う展開の中、シティのビッグチャンスが訪れる。サネのクロスにアグエロがヘディングで合わせる。決まったかに思われてコースだったがデ・ヘアがビッグセーブで死守。シュートも素晴らしかったがセーブは神がかっていた。90分にはオタメンディのヘディングが流れたところでスターリングに当たり、ゴールに向かうもポスト直撃。
結局、ユナイテッドが意地で守りきり、3-2でユナイテッドの逆転勝利で幕を閉じた。シティ優勝は決定的なシーズンだったがユナイテッドの意地をエティハドで見せつけたのだ。一方のシティは再三のチャンスを逃し続け、追加点を奪えず逆転された格好だ。試合内容は圧倒していただけに悔やまれる。
このシーズンはシティが圧倒的な強さを見せつけていた。それでもそんな相手に2点ビハインドをひっくり返したユナイテッド。試合後、静まり返るエティハドの中で片隅で赤い悪魔たちが勝利に湧いていた。

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